「アウトソーシング」というと、どういうイメージがありますか?
事務作業の委託?営業代行?
実は、「アウトソーシング」には非常に幅広い業務範囲が含まれます。

ITを活用したアウトソーシング大手のトランスコスモス株式会社 。先日、インドネシアでコールセンター事業に参入すると発表されました。

アウトソーシングをグローバルに展開している同社のビジネスについて、広報・IRの皆様にお話を伺いました。

Q1: 御社のビジネス、強み、他社との違いをわかりやすく教えて下さい。

トランスコスモス:
ごく端的に申し上げますと、私たちは「付加価値の高いアウトソーシングサービスを」「ワンストップで」かつ「国内・海外の双方で提供している」企業グループです。
ご提供しているサービスは、大きく

  1. コールセンターサービス
  2. BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス
  3. デジタルマーケティングサービス

の3つに分けることができます。

こちらの図は、サービスの全体像を示しております。
お客様にご提供できる価値は何か、という観点から2種類の色で分けて表示しました。

オレンジ色で表示したのは、売上拡大につながるもの。つまり、お客様企業の売上を増加させる(ことで利益増に貢献する)サービスです。
そして、青色で表示しているのは、コスト削減(を通じて利益増加)に貢献するサービスです。

事業内容

(ホームページ:サービス より引用)

―― お客様のメリットで事業を分類し、表示されているのは初めて拝見しました。

トランスコスモス:
ご提供しているサービスの種類が多いことに加え、それらを「総合的にご提供できる」ことこそが当社グループの強みとなっておりますので、いざ事業内容をご説明しようとすると、なかなか難しいのです…。
この図は、お客様の目線で、できるだけわかりやすく事業内容を表現しました。

総合的なご提案という意味では、たとえばEC通販向けには、「コールセンターサービス」で商品の注文受付やお客様からの問い合わせへの対応はもちろん、デジタル広告やプロモーションが必要であれば、「デジタルマーケティングサービス」でインターネットの広告代理店同様に広告をプランニングしてメディアを買い付けることもできますし、社内のエンジニアがスマートフォンサイトやウェブサイトの構築・運用まで行うこともできます。

また商品データベースの保守運用や発送手配などのフルフィルメント業務なら「ビジネスプロセスアウトソーシングサービス」で行うことができます。

つまり、フロントからバックオフィスまで、ワンストップでお客様企業の売上拡大・コスト削減に貢献できるのが私たちの特長であり、強みでもあります。

トランスコスモス:
当社がご提供しているのは、ツールではなくサービスです。必要に応じてツールの開発や代理店としての提供などはもちろんありますが、基本はやはりサービスの提供ですね。

それぞれの商材(サービス)名は、わかりやすくするために書いているだけでして、基本的には、お客様の懐に入って、いかにニーズを引き出して、それに合わせたご提案ができるかという所、つまり、パッケージ商品ではなく、お客様に最適なサービスを組み合わせて提案する、いわゆるオーダーメイド型のサービスですね。それが商材ごとの開示をしていない大きな理由でもあるのですが。

―― なるほど。商材あるいは事業別の開示はしておられないとのことですが、たとえば売上の割合でいくと先ほどの(1)~(3)、どれが主力の事業になるのでしょうか?それとも、バランスよく売上が分散されているイメージなのでしょうか?

トランスコスモス:
具体的な数値は非開示ですので申し上げられませんが、シェアとして一番大きいのはコールセンターの事業ですね。

―― 確かに、コールセンター事業の分野ではよく御社のお名前はお聞きします。

編集室注:
コールセンター業界におけるトランスコスモス様の規模や売上・利益等のランキングについては、こちらの記事でご覧いただけます。
2011年8月11日付 通販新聞:テレマーケティング売上高調査
2012年7月5日付  日本流通産業新聞:第19回コールセンター事業者調査

―― ところで「マーケティング・リサーチ・分析」というメニューがありますが、
これもコールセンターから派生したものなのでしょうか?

トランスコスモス:
はい。もともとは、コールセンターに寄せられる顧客の生の声――いわゆるVOC *をマーケティングに活用しましょうというところから始まったものです。
いわゆる「コストセンターからプロフィットセンターに」ですね。

*VOC(Voice of customer):
顧客の声を収集し、それを分析して顧客の要望、競合の活動、市場の変化などを捉える活動。

―― 他社のようにインターネットアンケートやネット上のクチコミデータ分析は行わないのですか?

トランスコスモス:
クチコミデータ分析なども対応しております。
コールセンターに寄せられる声も、インターネット上にあがってくる声も、お客様との接点という意味では本質的に変わるところはありません。
そういった観点から、今はコールセンターやインターネット調査はもちろん、ソーシャルメディア分析からビッグデータの分析まで、幅広く手がけております。

 

Q2: 事業環境とその対応は? また、それに対応する戦略は?

―― 事業内容については理解しました。それでは次に、環境認識についてお伺いしたいと思います。
現在の事業環境をどのように認識しておられますか?
また、それに対応するための基本戦略は?

トランスコスモス:
冒頭で申し上げました3つの事業分類ごとに申し上げますと、
コールセンターは、当社グループ内では最も大きな売上割合を占めている事業なのですが、日本ではコールセンターのアウトソーシングが比較的早い段階で進んできたこともあって競合企業とのシェア獲得争いも厳しい環境でもあります。
そのため、まずは売上・シェアの維持、これが大きな命題になって来ます。

次に、BPO。
これは現在、多くの企業においてコスト削減の動きが大変盛んになっておりますので、この機会をとらえて販売を拡大し、当社グループの売上・利益の双方における大きな柱へと育成していきたいと考えております。

最後に、デジタルマーケティング。
これは市場としても大きく伸びているECへの取り組みを強化するとともに、ソーシャルメディア、スマートフォン、タブレット端末といった新しい技術を取り込むことで、増収・増益を確保していきたい、それが基本的な考え方となります。

―― 同じお客様企業に複数のサービスをご利用頂く、あるいはトータルソリューションという
形でプロジェクトを受けることは増えておられますか?それとも、現時点ではまだ「単品買い」のお客様が多いのでしょうか。

トランスコスモス:
全てのお客様がこういったケースというわけではないが、まずは一つのサービスをお使いいただき、そこから関連するサービスをお使いいただくというケースがあります。

当社のサービスを、お客様企業の部門にあてはめてみると、インターネットは広報・宣伝、バックオフィス関係は人事・コーポレート業務・情報システムなど、担当部門がバラバラなんですね。
また経営改革という視点で見ると、担当部門だけでなく、経営者とのリレーションが重要なファクターとなります。

トータルソリューションといっても、お客様企業の1つの部門に対してサービスを提供するのではなく、お客様企業の全体にサービスを提供しなくてはならない、そういった難しさはあります。
ただ、我々にはトータルソリューションができる。様々なノウハウを幅広く持っております。複数の業務をうまくつなぎ合わせて業務全体をうまく回らせる、色々な観点からご提案できるのが強みなんですね。

顧客サポートだけの企業であればその切り口しかありませんが、我々はそれよりも一歩進んでいる。
サポート業務ひとつをとっても、「マーケティングにつなげるためにはどのようにサポート業務をやるべきか」といった発想ができますので、そういった強み、お客様企業にとってのメリットをご理解いただくことで、まだまだ市場開拓の余地がある。そのように認識しております。

Q3: 今後の成長を見据えて取り組んでいることは?

―― 今後の成長戦略としまして、割合としてはまだ全体の1割強ですが、売上の規模としてはかなり大きくなっている海外事業について、お伺いしたいと思います。
具体的にはどういった事業を展開されているのでしょうか?

セグメント別売上高

第27期トランスコスモス通信 P6より引用)

トランスコスモス:
市場としては、主に中国韓国ですね。

サービスメニューとしましては、基本的にはトランスコスモス本体で提供しているサービスを、海外においてもそれぞれの市場向けに展開するもので、最終的にはデジタルマーケティングといったインターネットまわりも含めて全てのメニューを提供する準備はしておりますが、現状で申し上げますと、中国市場ではどちらかと言えばコールセンターとEC関連の2つのサービスが強いですね。

また韓国については、現状では9割以上がコールセンターサービスです。

―― コールセンターが多いのですね。

トランスコスモス:
はい。そもそも我々がなぜ海外に進出したかと申しますと、一番の理由は、お客様企業(日本企業)が海外に進出する際にご依頼を頂いたからなんですね。

日本企業からすれば、コールセンターのひとつをとっても品質は非常に重要であり、日本の顧客対応はものすごく決め細やかな対応ができているんですね。それに比べて海外は文化に違いもあって日本企業が求めるサービスレベルには達していないと、我々は見ています。

―― よくわかります(笑)。

トランスコスモス:
…ということで、日本で取引のあるお客様企業が海外に進出される際に、「トランスコスモスさん、海外に行って一緒にサポートをやってもらえないか?」と、そういったご要望を多く頂いたんです。
お客様企業のビジネスを、海外でも全面的にサポートしましょうと。これもトータルソリューションですよね。
そこから始まっていますので、最初のうちは日系のお客様企業が比較的多かったのですが、現地で事業を続けるうちにノウハウや実績も蓄積されまして、そうなると現地からもお声をかけていただけるようになりました。

すでに中国ではお客様企業の国籍は日系、現地、外資が大体同じバランスになっております。
韓国については、元々顧客基盤を持っていた現地企業を買収しましたので、現時点では韓国企業が圧倒的ですが…。

―― それは後発で入っていっても、日本で培ったノウハウを持って行けば、現地企業の
信頼も得られる、シェアを取っていけるということでしょうか?

トランスコスモス:
中国に関しては、そう言えると思いますね。
中国ではそもそも、コールセンター市場自体がまだまだ発展途上の段階にあります。
確かに現地の企業はありますが、当社は日系企業としてはかなり早めに進出しておりますので、これからが楽しみな段階と言えます。

韓国については、ある程度の規模と顧客基盤を持っていた現地企業(2社)を買収し、1社に統合した上で、そこに日本で培ったノウハウもあわせて事業を開始しました。
現在、独立系事業者としてはNo.1――韓国ではKT(旧コリアテレコム)グループが1位を占めておりますが――の規模を確保するまでに成長しております。

編集室注:
トランスコスモス様国際アウトソーシング専門家協会(以下、IAOP)が発表した「2012グローバルアウトソーシング100(Global Outsourcing 100)」において、世界第44位、東南アジア・日本でベスト10、中国でベスト20のアウトソーサーに選出されました。

当該リリースはこちらよりご覧いただけます。

このように、当社はグローバル展開については、非常に力を入れております。
海外事業は当社売上高の10%強を占めるところまではきておりますし、今後も拡大させていきたいですね。

Q4: 個人投資家の皆様へのメッセージをお願いいたします。

トランスコスモス:
繰り返しになりますが、当社グループの強みのひとつは、アウトソーシングのサービスをコールセンターやBPOといった単体ではなく、総合的にご提案できるということ。対競合企業というところでは、冒頭申し上げました通り、単体でそういったサービスを提供している企業は多くありますが、総合的にご提案できる企業さんはまだまだ少ないです。

そして、もうひとつの強みはグローバル展開を進めていること。
同業でこれだけ海外に進出している企業は他にございません。この2つが当社グループの大きな強みでありますし、他社に対しての優位性であると思います。

トランスコスモス:
外から見ると当社グループのサービスはわかりづらいですし、B to C企業でもありませんので馴染みにくい所は多分にあるかと思います。
個人投資家の皆様には、わかりにくいこと、疑問に思われることなどありましたら、お気軽にご連絡下さい。そうしたやりとりを通じて、当社グループに親近感をお持ち頂けたら嬉しく存じます。

―― 本日はありがとうございました!