日本の製造業は、メーカーだけでなく、様々な企業の集合体から成り立っています。
「もの造りサポーティングカンパニー」を掲げる技術商社のスズデン株式会社
同社が提供する機器や部品は、工場の製造機器に広く使われています。

これまでのビジネスに加え、多数の企業に少量でも素早く納品するインターネット通販も開始。ビジネスは進化しています。現在の取り組みを社長室の永田さんに伺いました。

Q1: 御社のビジネスは何ですか?わかりやすく教えて下さい。

永田:
「もの造りサポーティングカンパニー」を掲げる技術商社です。
商材としては、大きく分けると

  • FA機器(工場の自動化等に使う機器)
  • 電設資材(照明、建物に使う配管材料、電線)
  • 電子部品(電子デバイス、コネクタ等)
  • 情報通信系(パソコンやボードなど)

の4種類があります。

―― 「技術商社」は普通の商社とはどこが違うのでしょう。

永田:
仕入れた商品をそのまま販売するだけではなく、システムの導入や運用にともなう技術サポートはもちろん、設計や施工も行うことができます。こうした業務を担当するため、社内には多くのSE(システムエンジニア)がおります。

スズデンのビジネスモデル

―― 「もの造りサポーティングカンパニー」とはどのような意味なのですか?

永田:
私たちが取り扱う製品は大半が、もの造りの現場、つまり工場や建築現場で使われるものです。
製造ラインをサポートする機器などをご提供することで、品質の向上や省力化、あるいは環境保全などを実現し、「良いものを納期通りに適切な価格で」ご提供するのが私たちスズデンである、そういった意味で申し上げています。

永田:
当社の売上の中で最も大きな割合を占めているのが、FA(Factory Automation)機器です。
FA機器は、工場の生産ラインに組み込まれて生産を制御したり、機械を構成する電気部品のひとつとして、機械の中に組み込まれる製品です。

また、電気工事を請け負う会社さんに電気設備に必要な部品(配線機器等)や照明器具のような電設資材を販売しています。
FA機器と電設資材を合わせて当社の売上の80%以上を占めています。

商品分野別の状況

第60期報告書 P2より引用)

―― 仕入先としてはどのようなところがありますか?

永田:
FA機器ではオムロン、IDEC、デジタル、電設資材ではパナソニックなど、色々なメーカーの1次代理店を努めており、仕入先の数は全部で1,000社以上に及びます。
中でも、当社はオムロンさんの代理店のうち上位にある企業の1社ですので、そちらからの仕入れが一番多いですね。

―― 販売先はどのようなところなのですか?

永田:
当社は創業60周年を迎えた老舗商社ですので、5,000社以上のお客様とお取引をさせていただいており、その取引社数の多さもひとつの特長かと思います。

半導体製造装置・液晶製造装置関連企業様などのお取引が多いのですが、最近では医療機器業界や食品業界様への販売も増えてきました。
現在、成長市場である環境関連などの開拓も強化しております。

―― FA機器で取り扱うのは部品だけでしょうか?製造機器ごとに納品されることもおありでしょうか?

永田:
割合としては部品で納品するというのが一番多いのですが、もの造りをサポートするのが当社ですので、まずご要望や仕様をお伺いし、当社が外部の企業に製造委託し、生産用の機械として納品することもあります。

Q2: 御社の強み、他社との違いはどこにあるのでしょうか?

―― 初の自社工場である大和工場を一昨年、設立されたそうですが、商社でありながら工場を持つことを決断されたのはなぜなのですか?

永田:
商社として、ものを右から左へ動かすだけでは当社の存在意義を高めることはできません。
より付加価値をつけるためにはどうすれば良いかと考えた時に、お客様のニーズとしては、単純に部品を納品するのではなく、当社側で多少の加工を施しセットとして販売して欲しい、あるいは、パーツを組み合わせて1つのユニットにして納入して欲しい、そういったご要望はかなりありました。
それにお応えするための組立を行うのが大和(たいわ)工場です。

当社の工場が行うのはあくまでも組立加工であり、原料から完成品を造るわけではありません。
その意味では、従来から標榜している「もの造りサポーティングカンパニー」という姿勢はまったく変わらず、むしろ強化する戦略と考えています。

―― なるほど。これも「もの造りサポーティングカンパニー」に込められた意味のひとつになるわけですね。

永田:
そうです。
それからもうひとつ申し上げますと、商社の中でも、ワンストップでFA機器、電設資材、電子部品、情報通信を全部扱っているところはほとんどありません。
ですから、「サポーティング」には、「当社にご依頼いただければお客様の必要な物が何でも手に入りますよ」といった意味も含まれています。

―― ワンストップというのは他社さんでは出来ないことなのでしょうか?

永田:
4種類の商材を取り扱っていて、どこの営業所でも4種類の商材を全部売れるのは、同業の中でもあまり多くはない、当社ならではの特長と言えます。
また、他社さんでそれだけの商材を扱っていても、営業所によってFA機器専門、電設資材専門といったように分かれていて、一人の担当者が対応するのは難しい部分もあると聞いています。

また、当社では在庫も種類・量ともにかなり豊富に持っておりますし、コンピューターシステムや物流網システムも自社で構築しており、お客様のニーズにフレキシブルに対応できる。そういったところも強みだと思っております。

―― 部品・部材を仕入れて販売する商社ビジネスは、他社でも同じ製品を扱えるようなイメージがありますが、御社のような納入元を変更されることは多い業界なんでしょうか?

永田:
お客様が商社を選ぶ基準は、価格・納期対応力・提案力等、様々な要素があります。
当社は、メーカー代行やお客様の購買代行という考え方を常に持ちながら営業活動を行っています。
メーカー代行を行うには、商品知識や技術力が必要ですし、購買代行を行うには、幅広い仕入先や強力な物流機能等が必要となります。

メーカーの代理店(=競合企業)も多い業界ですが、お客様の様々な潜在ニーズにいち早く対応して、お客様にご満足頂き、当社を選んで頂けるよう、全社員が顧客第一の精神で活動しています。

Q3: 事業環境とその対応は? また、それに対応する成長戦略は?

―― ありがとうございます。それでは事業環境についてお伺いしたいのですが、工場の海外移転が続く中、一方では中国の人件費が高くなってきた、あるいは様々な理由で逆に国内回帰というお話もあるかと思います。そういった意味で、市場環境についてはどのように捉えていらっしゃいますか?

永田:
おっしゃるとおり、生産現場は海外にどんどん出て行っています。
中国の人件費が高いといっても日本よりはまだ安いですから、そういうところは多いと思います。

とは言え、日本の工場がゼロになるわけではありませんし、食い込んでいけるところはある、そういった認識に立ち、当社は今、改めて国内に力を入れています。

具体的には、先にお話しました国内の成長市場、あるいは安定的な需要が見込める業界に対し、より力を入れて取り組んでいる状況です。

成長・安定業界への継続的取り組み

―― 「成長」だけでなく「安定」も狙って行かれるのですね。

永田:
はい。当社のお客様としては半導体・FPD関連企業様が多く、もちろんこの部分については引き続き注力していくのですが、業界としてはシリコンサイクルなどの影響を受けて当社の業績も大きく振れやすいという側面があります。
ですから、需要の安定した業界、特に内需中心の業界の割合を増やしていくことは重要と考えており、食品、そして医療機器業界については、今後、注力していきたいと考えております。

―― 「成長市場」向けにはどのような取り組みをしておられますか?

永田:
環境関連に力を入れています。
工場の電力監視システムをはじめとして、LED照明、空調機器、インバータなど省電力機器などの需要は引き続き拡大すると考えていますので、当社の総合力を生かしたトータルでのご提案を進めています。

―― 「業界」という区切り以外で国内向けに取り組んでおられることは?

永田:
インターネット通販サイト「FA Ubon(エフエー ユーボン)」を中心に、Webビジネスに力を入れており、コンテンツの量を増やすと同時に、検索機能についても強化しているところです。

FA Ubonでは午後5時までにご注文いただければ翌日には出荷できますので、企業様の様々なニーズにお応えすることが可能です。
たとえば研究開発用途で、購買部門を通さずに今すぐ少量だけ買いたい、あるいはメンテナンスで必要な部品を手に入れたい、そういったニーズにお応えしていくことは、今後のお取引拡大にもつながります。

―― 海外については?

永田:
当社の海外営業部では日本からお客様の中国拠点への直接輸出を、上海の子会社では中国国内での調達・販売と、役割・機能を分担する形で、お客様である日系企業の中国展開をサポートしています。

先ほど、中国の人件費が上がっているというお話がありましたが、それはある意味、当社にとっての商機でもあります。
人件費が高くなれば、工場はますます自動化が進む。
何年か前の日本と同じ状況になっていくと考えています。

そうなってくると、当社が取り扱っているFA機器の出番です。
その意味では、現在の上海子会社のまわりの沿岸地域だけでもまだまだ需要は伸びると思っていますし、実際、上海子会社は業績が上がってきていますので、これからが成長のステージです。

―― 最近、税制のメリットでタイなどに工場を持たれている日系の企業さんが多いと思うのですが、そういったところにも納品しておられるのですか?

永田:
はい。アジア圏を一体として考え、最適な場所で調達し、事業活動につなげていくという動きは、どんどんスタンダードになっています。
当社ではそういった需要には日本の海外営業部から直接輸出という形でお応えしていますし、今後も増やしてきたいです。

Q4: 個人投資家の皆様へのメッセージをお願いいたします。

永田:
当社は、働いている人たちも、会社の姿勢としても本当に真面目です。株主様への利益還元も重要な経営課題と認識しておりますので、ご信頼、ご安心頂ける企業なのではと思っております。

業績につきましては、現状では半導体のシリコンサイクルにかなり影響される部分がありまして、株価もそれを受けて上下するところがあるのですが、現在、国内外の安定業界・成長市場への取組を進めておりますので、少し長い目でご覧いただき、ご期待いただけましたら幸いです。

―― 本日はありがとうございました!