本日のインタビューは、ジェネリック医薬品の沢井製薬株式会社(証券コード:4555)です。
ジェネリック医薬品の拡大は世界の潮流であり、日本国内においても、増え続ける医療費を削減するため、政府がその普及促進に力を入れています。

国内における上場ジェネリック専業メーカー大手といえば、沢井製薬、日医工、東和薬品の3社がありますが、中でも沢井製薬は、真っ先に東証一部上場を果たしており、テレビCMを含む啓発にも力を入れるなど、ジェネリックの普及と、ジェネリックメーカーの社会的な信用と知名度の向上に力を入れており、「ジェネリック市場での圧倒的No.1プレゼンスの確立」を目指す企業です。

同社の現状と課題、戦略から今後目指す姿まで、IRを担当する経営管理部経営管理IRグループの石橋さん、河合さんにお話をうかがいました。

Q1: 御社のビジネスは何ですか?わかりやすく教えて下さい

Q1-1:まず、御社の沿革について教えてください

A1-1:
当社の前身は、1929年に大阪市で開業した個人経営の薬局です。その後株式会社化し、OTC医薬品の製造販売を営んでおりましたが、1961年に「国民皆保険」を基本とする健康保険制度が施行され、医療用医薬品市場の拡大が見込まれることとなりましたので、1965年に医療用医薬品メーカーへと業態をシフトいたしました。

当初は新薬も研究していたのですが、1965年以降は、ジェネリック医薬品(以下、ジェネリック)の専業メーカーとして事業を伸ばし、1995年に店頭公開、2000年に東証二部、2003年には同一部に上場し、現在に至っております。

Q1-2:ターゲットとする疾患領域は定めておられるのでしょうか? 御社は循環器・消化器系に強いと書いてある資料を見たことがあるのですか。

A1-2:
確かに当社は、数量ベースでみると循環器と消化器の医薬品合計が全体の5割近くを占めているのですが(図表1-1)、これは結果としてそうなっていると思っていただいたほうが良いです。と申しますのも、循環器・消化器領域には慢性疾患が多いのです。風邪薬は3日ぐらいで服用が終わってしまいますが、生活習慣病のような慢性疾患の場合、患者さんは毎日決まった量を飲み続けなければなりません。それこそがこの分野において新薬・ジェネリックともに医薬品市場規模が大きい理由ですし、ジェネリックの価格メリットを訴求しやすい(=切り替えが進んでいる)分野でもある理由なのです。

図表1-1:薬効別 売上数量(2014年3月期第2四半期)

(グラフは第2四半期決算資料よりオプティア作成)

Q1-3:ジェネリックは、大型薬の相次ぐ特許切れ(いわゆる「2010年問題」)に政府の使用促進策が加わり、ここ数年は追い風の事業環境下にあると思います。その中で御社はどのような戦略をとっておられるのですか?

A1-3:
当社は、新製品を「一番手で上市」することにこだわっています。薬を処方する病院の先生方や薬剤師の方々、あるいは患者さんのいずれにとっても、初めて新薬からジェネリックへ変更する時には価格や各種使用促進策などの強力な誘因がありますが、一度ジェネリックに切り替えた後、そのジェネリックから他の企業が出すジェネリックへの切り替えをする理由はほとんどありません。ですから、「真っ先に発売する」こと――これまで新薬しかなかったところにジェネリックという新たな選択肢ができる、その(選択肢の)最初のひとつであることが非常に重要なのです。

Q2: 御社の強み、他社との違いはどこにあるのでしょうか?

Q2-1:「一番手で上市」するためには、どのような力が必要ですか?

A2-1:
特許調査能力、技術力、開発力。これらは特に重要と考えています。

一番手で上市する戦略は、十分な特許調査がなければ、非常にリスクが高いものとなってしまいます。物質特許※1、用途特許※2、製剤特許※3、製法特許※4をはじめとするさまざまな知的財産権――それらのどれが満了し、どれは満了していないのかという基本的な部分はもちろん、どのような製法や処方であれば製法特許や製剤特許の権利範囲に抵触しないのかといったことまで含めて検討する力こそが、当社の「一番手」戦略を可能にするのです。

もちろん、「製法特許や製剤特許の権利範囲に抵触しない」方法がわかったとしても、それを実現するためには高い技術力・開発力が不可欠です。そもそも、先発品の特許が切れたと言っても先発品の設計図が全て公開されるわけではありませんから、最終製剤になる過程で先発品との「生物学的同等性」を示すジェネリックを作れなければ、製造販売承認を得ることはできません。

―― 生物学的同等性とは何ですか?

ひとつの例としては、同じ条件下で先発品を服用した患者さんと弊社のジェネリック品を服用した患者さんの体内で、薬の成分が同じ血中濃度であるかといったことが挙げられます。成分が早く溶けすぎても遅く溶けすぎてもいけませんし、胃で溶けないといけないものが腸で溶けてしまってはなりません。

たとえば、当社が今年(2013年)6月に発売した経口抗がん剤の「エスエーワン」などは、3つの成分が入っており、それらがすべて先発品と同じように体内で溶けなければなりません。そういった複雑な製剤の場合、1社あるいは数社しか(ジェネリックに)参入できないということはよくあります。

※1:新規に生成された飲食物、医薬、化学物質に対して取得される特許
※2:既存の化合物に未知の属性を発見し、それがある新しい用途に用いることが可能であることが分かった際に、その用途に対して与えられる特許
※3:製剤上の新しい工夫に与えられる特許
※4:医薬品の成分など、化学物質の製造方法についての特許

Q2-2:Q2-1を踏まえると、どれだけ多くの新製品を、どれだけ早く発売できるかが業績の大部分を決めるという理解になるのでしょうか?

A2-2:
もちろんそれは非常に大きい要因ですが、新たなジェネリックを発売すると、既存薬に対しても引き合いが出てくるという相乗効果も見逃せません。当社の場合、ジェネリックの専業メーカーとして40年以上の歴史を持っておりますので製品ラインナップ数も多く、過去の蓄積が業績を押し上げている部分も大いにあります(図表2-1)。また、需要が大きく伸びても欠品を起こさないという意味での安定供給能力の高さや、品質に対する信頼性も当社が選ばれている大きな要因です。

図表2-1:収載年度別売上高推移

(クリックして画像を拡大:第2四半期決算説明会資料p3より)

Q2-3:販売ルートはどのようになっているのですか?

A2-3:
メーカーが直接販売する場合もありますが、一般的にはジェネリック医薬品の販売ルートは、卸を経由するものと販売会社を経由するものに大別され、当社は、この2つを同じくらいのウェイトで持っています。これは同業他社と比較した場合の、当社の特長のひとつでもあります。

前者は、いわゆる大手医薬品卸の会社さんを通すという、新薬メーカーさん同様の販売方法です。MRは病院や調剤薬局さんに対して営業活動を行うのですが、販路としては病院や調剤薬局さんが指定するルートに乗せるという形になります。

後者は、当社が直接、地域の代理店さんに対して営業を行い、販売していくというもので、昔ながらのジェネリックの販売方法です(図表2-2)。

―― 最近ではどちらが伸びているのですか?

卸ルートの拡大が大きいですね(図表2-2)。現在、当社は約7割が調剤薬局のルートになっていて(図表2-3)、ここは卸さんが強い部分であるということもありますし、(売上成長によって)当社製品の販売数量が卸さんが取り扱いやすい規模になってきたということも要因としてあります。

とは言え、販売会社ルートも引き続き重要です。ここは地域別の販売ルートとして「面展開」ができていますし、私達が(販売会社経由で)直接新製品の質の良さや効能などをアピールすることができるルートでもありますので。新製品を切り口に既存の製品を含めて投入していくという、先ほどQ2-2でご説明した戦略を支えている部分でもあります。

図表2-2:販路別売上高推移

(クリックして画像を拡大:第2四半期決算説明会資料p4より)

図表2-3:医療機関別納入実績(単体)

(クリックして画像を拡大:第2四半期決算説明会資料p2より)

―― 利益率や事業効率からみて、現在の販売ルートの状況をどう評価していますか?

利益率や事業効率に関しては、卸ルートと販売会社ルートの差は、ほとんどありません。

Q2-4:供給面についてお聞きします。年間100億錠体制に向けて前倒しで生産力増強を進めておられる理由は?

A2-4:
当社は、キャパシティに余裕を持っていることが、次の需要増に向けた対応力になると考えております。現在、他の大手ジェネリック企業さんにおいても、進行中の中期経営計画の中で(生産増強のために)200~300億の設備投資をしていく計画と聞いておりまして、その金額は当社ともほぼ一致しているのですが、我々は他社さんよりも常に早め、早めに投資しているという点が少し違っていると思います。

具体的には、来年度(2014年度)に開始予定であった関東工場の第二期工事への着工を1年早め、今年度(2013年度)、すでに開始しております。これにより、中期経営計画が終了する2014年度末には年間100億錠体制(編集室注:現在、全社で年間80億錠体制)が確立できることとなります。

ではなぜそこまで、キャパシティに余裕が必要なのか。それは、安定供給こそが販売先の信頼を得る上で不可欠だからです。たとえば、ある患者さんが新薬からジェネリックの切り替えをしてくださったとして、次にその患者さんが「沢井の薬」を期待して2ヶ月後にいらっしゃった時にそれがないというのでは、患者さんや医療機関、の信頼が大きく低下してしまいます。需要が急増した場合にも、既存のお客さまに間違いなく必要な薬をお届けできるキャパシティを持っていること――それが沢井製薬の特長ですし、だからこそ、昨今の急拡大する市場の中においても、安定供給という部分で一番評価を受けているのは当社であると自負しております。

関東工場

(クリックして画像を拡大)

Q2-5:設備投資を積極的にしておられますが、自社製造にこだわる理由は何ですか?

A2-5:
ひとつには、製品の品質面へのこだわりがあります。製薬業界では、当局や医療機関からの品質に関する要請は、他の業界とは比較にならない程厳しいものがあります。例えば医薬品のパッケージの中に髪の毛一本でも混入しておりますと、市場で流通している当該品目のすべての回収を行うことを要請されることもあります。ここ数年、沢井製薬は大きな回収を起こしておりません。これも仕入先からのご信頼につながっておりますし、MRも自信を持ってアピールできる理由になっています。

もうひとつは、コスト面です。ジェネリック業界では薬価改定の影響が大きいのですが、それまでに生産効率をあげておくことで、その影響を吸収することができます。

研究開発、生産、販売――これら3つを自前で持つことによって、トータルでジェネリックの事業から利益を取ることができている、それが同業他社と比べた時の当社の強みなのです。

Q3: 事業環境とその対応は? また、それに対応する成長戦略は?

Q3-1:事業環境認識についておうかがいします。本年(2013年)4月、厚生労働省は「2018年3月末までに60%以上の数量シェア」という数値目標を新たに示しました。2007年に発表された前回の数値目標(=2013年3月末までに後発医薬品の数量シェアを30%以上に)は、3月末時点のシェア率が25.6%(推計)にとどまり未達となったわけですが、今回はどうなのでしょう。当時と今を比べた時の事業環境の違いや、それが御社の中期経営計画に想定としてどう盛り込まれているかについておうかがいしたいのですが。

A3-1:
当社の現中期経営計画(2013年3月期~2015年3月期)は、今回の数量シェア目標が発表される前の2012年5月に発表したもので、その後改訂は行なっておりませんので、その意味においては、今回の(60%以上の数量シェアという)目標や、その達成のための推進策が、そのまま織り込まれているわけではありません。

では、事業環境としてどうなのかと申しますと、前回(の目標策定時)と比べた時の大きな違いは、やはり、「今の日本の財政状況を鑑みれば、ジェネリック医薬品を普及させて医療費を削減しなければならない」という認識がより強く行政側も持っておられるということは言えると思います。

医療費の削減に関しては、現実には色々と難しい部分もあるのですが、現実に財政の状況を見たときには、医療の質を維持しながら医療費を削減できるという意味で、ジェネリック医薬品の使用促進という政策が最も優先して取り組まれることになるのではないか、その結果、今後、制度改正の中でよりインパクトの強いジェネリック促進策が出てくるだろうというのが、我々が今期待し、あるいは想定しているところです。ただし、それが現在の中期経営計画の前提にすべて織り込まれているかと言えばそうではない、というのがお答えになります。

―― そこはあくまで「固め」に見ておられるということですか?

必ずしもそうではありません。現在の中期経営計画は、「2013年3月末までに後発医薬品の数量シェアを30%以上に」という前回の数量目標についても、2~3年遅れで実現するのではないかと想定しておりまして、2013年3月末の実績が約26%であったということをみますと、概ね想定通りに推移しているのかなと思っております。

今回(=2013年3月に提示された目標の時点では)につきましては、実は「後発薬普及率」の定義(算出式)が変わっておりまして、数量シェアの新たな目標値である「60%」は、旧基準に引き直すと約34%に相当すると見ております。当社は、現中期経営計画発表時の資料の中で、2020年度末の数量シェアを40.0%(編集部注:新基準で約70%)と予測しているのですが、これも「3年遅れで実現される」とこのぐらいになるのではないか、という意味では、当社の想定とそう大きく乖離するものではないとも考えております。

Q3-2:中期経営計画期間中には、どのような製品を上市していく予定ですか?

A3-2:
これに関しては、当社としては「特許満了予定の主な先発品にはこのようなものがある」ということをお示しする資料(図表3-1)しかご提示できないのですが…。Q1-2でお答えしましたように、当社としては、発売できるものはすべて狙っていくというのが基本スタンスですが、その中で、自社がすでに持っているラインナップと比較して必要がない、あるいはマーケットが小さいといった理由で除外していくものはございます。

図表3-1:新製品の確実な上市とシェア獲得

(クリックして画像を拡大:第2四半期決算説明会資料p18より)

Q3-3:Q1-2では循環器・消化器系のラインアップが「結果として」多いというお話をうかがいましたが、一方で、今、ジェネリックにおいても抗がん剤の市場規模が広がっていますし、今後、バイオシミラーも視野に入れた時には、抗がん剤にどう取り組むかということも重要になるのではないでしょうか。

A3-3:
抗がん剤の市場は、現在、我々が他のジェネリック専業メーカーに先んじて、強化に取り組んでいる分野のひとつです。抗がん剤市場においては、(現在我々が調剤薬局さん等に対して訴求しているような)価格メリットや飲みやすさといった点とはまた異なり、「処方する先生方からの信頼があって、それが基幹病院で正しく処方される」ということが必要になります。ここで選ばれるメーカーにならなければ、(次の段階である)バイオシミラーに行く資格もないのではないか、そういった考え方をしております。

では抗がん剤市場における当社の現状はどうなっているのかと申しますと、注射剤などを中心に、製品のラインアップは、ジェネリックメーカーの中ではトップクラスで、2013年6月には経口抗がん剤「エスエーワン」を発売しました。

―― 「エスエーワン」は、(最速である)6月時点で承認を取得したのは御社と日本化薬さんだけでしたね。

日本化薬さんは、特に注射剤の抗がん剤ジェネリックでは過去からのラインアップも含めて市場認知が高く、かなり存在感を示しておられる企業さんですので、抗がん剤市場においては、同社さんとどれだけ競って存在感を示していけるのかというのが、まず、今、試されているところではないかと考えております。

―― その意味では「エスエーワン」は抗がん剤市場における試金石になるのですね。

そういう位置付けであろうと思っております。その先に、次の展開があるであろうと。

Q4: 今後の成長戦略は?

Q4-1:現中計期間を超えてより長期で見た場合、御社はどのような成長を目指し、また、その実現のためにどのような戦略を取っていかれるのでしょうか?

A4-1:
まず、現中計期間においては、売上高1,000億円が一つの大きなターゲットであり、今、生産も含めて全社で(目標達成に向けた)体制強化を含め、取り組んでおります。

1,000億円の次の目標については、現中計の中で、中長期ビジョンとして、2010年度までに売上高2,000億円の達成を目指すこととしています。今の事業領域で圧倒的なリーディングポジションを構築するだけでなく、事業ポートフォリオの拡充に向けたシナジー効果を創出できる他事業・海外への展開にも取り組んで行く予定です。

―― 戦略の転換があるということですか?

「転換」とは少し違いますね。あくまで、現在の戦略の延長だけでは足りない部分をどう埋めていくかという話ですので。

何しろ、一番の主戦場(である国内ジェネリック医薬品市場)が確実に広がっていくわけですから、それをきちんとおさえるというのが最優先であることは間違いありません。

今後、どのような戦略をとっていくにしても、(そのためには)企業の規模と収益性を確立しておかないと話になりません。ですから、今はジェネリックの事業を固めることを優先しつつ、次の展開については、様々な角度から可能性を考えているという状況です。

Q4-2:中期経営計画資料には「新規領域への戦略的投資」というスライドがありますが、これらがその「可能性」にあたるのでしょうか?

A4-2:
はい。「海外展開へ向けた基盤構築の着手」「ハイブリッドビジネスモデルの実現に向けた検討」「バイオシミラー市場への参入検討」の3つです。今は、この並び順に意味があるということ以外、具体的なことは申し上げられませんが。

Q4-3:「ハイブリッドビジネスモデル」というテーマは、3年前に新薬メーカーさんとの経営統合を提案された際に掲げられたものであると思いますが、現在、M&Aに対する御社の考え方はどのようになっているのですか?

A4-3:
まず、他のジェネリックを買収することは、この業界ではなかなかメリットを見出すことは容易ではありません。と、申しますのは、ジェネリックの強みは、(取得した)製造販売承認の数によるんですね。当社が保有しているラインアップは、売上50億あるいは100億といった規模のジェネリック医薬品メーカーさんと重ねますと、ほとんどかぶってしまいます。(承認は)1社で2品目を持つことはできないという仕組みになっておりますので、当社が――むろん、他のジェネリックメーカーさんの場合もそうですが――ジェネリック業界で他社さんを買収するメリットは小さい、したがってその可能性は極めて低いということになります。そういった(買収という)選択をするのであれば、自社で工場を新しく建てて、自らのコントロールできる環境でジェネリックの数量を増やす政策を取った方が、よっぽど確かだというのが当社のスタンスです。

では原薬系の企業さんを自社の連結対象の中に取り込むことはあるのか(編集室注:ジェネリック業界では東和薬品や日医工が、原薬メーカーを傘下に持っています)ということもよく聞かれるのですが、これに対しても「可能性は低い」と回答させて頂いております。原料の調達であれば、最適なメーカーさんやディーラーさんから調達する方が、コスト面から見ても有利であると考えておりますので…。

現時点においては、新薬メーカーさんと一緒になるメリットというのも見ておりません。新薬メーカーさんは、売上の多くを、我々ジェネリックに置き換わって行きつつある特許切れの製品に依存しており、その意味で、今一緒になって1プラス1が2になっても、数年後は、2以下になってしまうからです。とはいえ、海外ではテバファーマシューティカルさんのように、ジェネリックと新薬を事業に組み入れられている企業の例がありますので、海外でそれができてなぜ日本ではできないのだろうか、という点は常に研究しているところではありますが。

Q3-3でも少しお話いただきましたが、バイオシミラーへの取り組みについて改めておうかがいさせて下さい。バイオ医薬品の割合が増えていくと現在の形でのジェネリックの成長もなかなか難しくなっていくのではないか、とも思われるのですが、そのあたりはどう事業環境をとらえ、また、どう対応をしていこうとされているのでしょうか。

A4-4:
これに関しては、当社はこの3年ぐらい「避けては通れないが慎重に検討中」と申し上げ続けております。積極的に参入するのかと言われれば、そこは消極的なのかなというのが現状であり、やるとしても参入の形態において方法を考えなければならないのかなと。

現在当社が手がけているジェネリックの開発コストは、1品目あたり1億、多くても2億程度で、かつ、成功確率はほぼ100%です。当社の場合、これまでの蓄積がありますから、その中で、冒頭で申し上げた特許調査力や技術力、開発力を駆使して、ねらった通りの製品を発売することができます。

新薬メーカーさんの場合、莫大な研究開発力と過去のストックを元に、市場に出ない開発品をいくつも抱えながら進めていくということ、そういった新製品の出し方について経験則をお持ちですが、ジェネリック企業にはそれがないんですね。ですから、当社においても自社単独で1品目だけを開発しますというやり方はあり得ないだろうなと。そういった認識ですので、Q4-2では3つの戦略の最後にバイオシミラーが来ている、という理解をしていただければと思います。

Q5: 個人向けIRの方針および個人投資家へのメッセージをお話し下さい。 

個人投資家の皆さまは、患者さんにもなりうる方々であり、業績のみならず当社製品をはじめとする当社の良さを知っていただくとともに、当社のファンとなっていただき、長期に亘って株主であり続けていただきたいと考えています。そのためには、株主通信やホームページ等での情報発信の充実はもちろんのこと、業績向上に邁進し、株主還元できるよう努めてまいりたいと思っています。ご支援くださいますようお願い申し上げます。

―― 本日はありがとうございました!