ハデ婚、ジミ婚、そして今はオリジナル婚などと言われ、確かにハウスウェディングに出席する機会もここ数年増えたな、と感じています。

「本物・正統派の披露宴」を形にしている株式会社ノバレーゼ
同社社長室の松井さんに、ブライダル業界は今どうなっているのか、その中でノバレーゼ様はどのような戦略をとっておられるのかなどについて、お話を伺いました。

Q1: 御社のビジネスは何ですか?わかりやすく教えて下さい。

松井:
ブライダル業界で、挙式・披露宴の企画および運営を中心に、ドレスのレンタル・販売やレストランの営業なども行っております。

2011年12月期実績

挙式・披露宴を行う施設は主に、当社が運営するゲストハウスです。
ブライダル業界では全般的に“欧米を模倣したような可愛い”施設を提供される企業が多い中、私たちはシンプルでスタイリッシュな施設に特化しているのが特長です。

ゲストハウス

 

また、文化的価値が高い建物や歴史的な建造物を再生させて結婚式場に転用する「再生事業」も当社ならではの特長です。
たとえば本年12月に神戸市にオープン予定の物件は、三洋電機の創業者である井植氏の自邸としてかつて使われ、ずっと閉鎖されていた建物を、この度私たちがお借りして新しく結婚式場に転用するものです。
来年も大阪と金沢に、それぞれ国の重要文化財に指定されている建物をウェディング施設に転用することが決まっております。

 

――  「シンプル&スタイリッシュ」路線を志向するお客様はどの程度いらっしゃるのでしょうか?

松井:
私どもの実感値では、まだ市場全体の1~2割程度にとどまっています。
ですがその分、ここに商品やサービスを提供している企業も大変少ないですので、当社はこの市場で圧倒的な地位を確立し、他社との差別化を図ることが競争力につながると考えております。
また、全般的に晩婚化が進む中で、当社の「シンプル&スタイリッシュ」路線を選択されるお客様は増加傾向にあります。

 

Q2: 事業環境とその対応は?

――  婚礼プロデュース、婚礼衣装、飲食(ホテル・レストラン)と3つの事業部門がありますが、中核となるのはどの事業部門でしょうか?

松井:
あえて申し上げるなら「婚礼プロデュース」です。この部分をきちんとお手伝いすることで他も伸びていきますので。

――  婚礼プロデュースにおける御社の特長は何でしょうか。

松井:
私たちは、「凝りすぎた“演出”で奇をてらうのではなく、きちんとした本物の披露宴をやりましょう」と皆様にご提案しています。

新郎新婦様は、何か他人とは違う結婚式を作りたいという想いや、結婚式の最中に間が持たないのでは?とのご心配から、様々な企画や演出を詰め込もうとする傾向があるのですが、本来、きちんとしたお料理とお飲み物を良い雰囲気の中で心のこもったサービスをしていれば、お客様は十分楽しんで下さるはずです。
もしも間がもたないなら、それはお料理が美味しくないか、量が少なすぎるためではないでしょうか(笑)。

結婚式の出席者は、先々、新郎新婦を支え、見守ってくださる方々です。
そうした方々をおいしいお料理とスタッフの笑顔、また優雅な雰囲気や感動的な映像などでおもてなしし、「来てみたらすごく良かった」「本当にいい披露宴だった」と笑顔でお帰りいただくことができれば、その方々は新郎新婦に対して好意的な評価をしてくださり、それは、最終的には必ず新郎新婦のご満足にもつながってまいります。

加えて、きちんとした結婚式をご提供することで「やっぱり結婚式はいいね」「結婚式はやるべきだよね」と思ってくださる方が増えれば、業界全体の成長にもつながります。

ブライダル市場全体の成長のためにも、私たちはこれからも
「大人が満足する、正統派の結婚式・披露宴」
をご提供し続けたいと思っています。

――  少子高齢化の影響についてはどのように見ておられますか?

松井:
中期的には市場規模の縮小という形で影響があるものと考えておりますが、一方で、晩婚化と再婚のカジュアル化によって、潜在的なブライダル市場は広がりつつあります。

国内市場における売上高上位5社の占める割合

加えて、この業界の特性として「大企業」が存在していないことから、業界内でのシェアを伸ばすことで当社が成長できる余地は十分にあると見ています。

Q3: 強みを支える戦略は?

――  出店戦略についてお聞かせいただけますか?

松井:
当面は恒常的に年間4店舗程度の出店を続けることで、売上を伸ばしていきます。
出店にあたっては、初期費用を抑えて早期に投資を回収し、3~5年後に追加投資をしていくことで店舗の競争力を維持しています。

――  ブライダルはやはり「人」のビジネスだと思います。人材教育についてはどのようにお考えですか?

松井:
「人」は、当社が一番力を入れている部分です。
スタッフも人間ですので、自分が良いと思わないものは売れません。ですから、自分たちが本当に良いと思える商品やサービス、施設を自分の力で作り出し、それをスタッフがいきいきと売ることによってお客様が喜んで下さり、それが自分たちの喜びにもなる。
こうした好循環を生み出すことが、人材育成に関する私たちの基本方針です。

人材をサポートする新たな試みとして、本年6月から新たなシステムを導入し、稼働を開始しました。
この業界は大変アナログでして、お打ち合わせもすべて対面で行い、一つひとつ手書きで資料を作成しています。これをある程度デジタル化し、私たちの基幹システムと連動させるこのシステムを使えば、新郎新婦様もご自宅でできる準備が増えますし、手続きのミスも大きく減ります。

情報やノウハウを共有することで、どのスタッフが担当しても同じクオリティの披露宴ができるようになると大いに期待しております。

Q4: 今後の成長戦略は?

――  結婚式のお客様は、基本的には一回きりのお付き合いになると思います。
その後継続的に関係を構築できる仕組みは何かおありなのでしょうか?

松井:
まさに今、その仕組みを整えつつあるところです。
ご指摘の通り、ブライダル業界の性格上、大半のお客様とは一度きりのお付き合い。その後は一周年記念のディナーぐらいでしかお付き合いがありませんでした。
でも、それは大変もったいないことです。

今般導入した新システムに入力いただいた情報に基づいて、結婚記念日や新郎新婦のお誕生日、クリスマスや母の日・父の日などの記念日ごとにお客様にメールをお送りし、当社が来年1月に立ち上げるECサイトで商品をお選びいただけるようにする。
それが、当社の「アニバーサリー事業」です。

ECサイトでは当社がセレクトしたギフトやお花、映像の作成、レストランのお食事券などを販売し、記念日をプロデュースすることで、結婚式後も継続的にお付き合いできるようにしてまいります。

――  この事業が軌道に乗れば、中期的には収益モデルも変わっていきそうですね。

松井:
はい、そう期待しています。言うなれば、「装置産業からの脱却」ですね。

実は、先にご紹介したシステムは、これから同業他社にも販売していきます。
これを使って頂ければ、当社が出店していない地域の新郎新婦様にもサービスをご提供できますし、さらにアニバーサリー事業も組み合わせることで、出店や設備投資を伴わなくともビジネスチャンスと収益機会が生まれてまいります。

――  海外展開に関する考え方をお聞かせいただけますか?

松井:
まだまだ国内の出店余地も残されておりますので、あくまで国内を伸ばしつつ、いいお話があれば海外にも展開していくというのが基本的なスタンスです。
当面は中国(上海)と韓国(ソウル)で、まずはレストラン運営からのスタートを検討しております。

Q5: 個人投資家の皆様にひとこと、お願いします。

松井:
私たちは、「ノバレーゼかそれ以外か」とおっしゃっていただけるぐらいに他社様とはまったく違うこと、業界全体の底上げになるようなことだけを手がけていきたいと考えております。

ノバレーゼはこれからも革新性や、お客様のことを誰よりも考えている会社としての業界リーダーを目指して歩み続けます。

個人投資家の皆様には是非当社にご期待いただければと存じます。

――  ありがとうございました!