川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム仙台アンパンマンこどもミュージアム&モールといった身近な施設から、各種展示会まで、「空間デザイン」という分野のリーディング企業の株式会社乃村工藝社

経営企画本部 広報・IR部の清水 均さんにお話を伺いました。

Q1: 御社のビジネスは何ですか?わかりやすく教えて下さい。

清水:
ひとことで言えば、空間をプロデュースする会社です。“集客”をテーマに各種施設、イベントにおける内装・展示のデザイン・設計、制作・施工、運営管理まですべて手掛ける「ディスプレイ業」が私たちの仕事です。

乃村工藝社の事業領域

名前を挙げれば皆様もご存じのブランドショップ、駅・空港や商業施設、大型の展示会や国際博覧会、全国の博物館・美術館、ホテルやブライダル施設などを手掛けています。

編集室注: 乃村工藝社様のNOMURA IR REPORTインベスターズガイドをご覧いただくと、実績紹介をいくつか見つけることができます。また、「市場分野別」「制作品別」の売上高、受注高、受注残高の推移も掲載されておりますので、皆さま、是非ご覧ください!

 

―― 今年120周年を迎えられたとうかがっておりますが、御社の歩みについて、簡単にお教えいただけますか?

清水:
当社の歴史は今から120年前の1892年(明治25年)に、創業者の乃村泰資が香川県高松市の歓楽座という芝居小屋に大道具方として入ったことに始まります。
その後、大正時代には大道具方で身につけた技法を菊人形に活用し、両国国技館の菊人形展で大規模な段返しの仕掛けによって見物客を大いに沸かせたと言われています。

乃村工藝社の創業と歴史


菊人形以降も、当社は各種博覧会の展示、大型商業施設の催事・ウインドウ・店内装飾などを柱に事業を拡大していきました。
また、戦後の高度経済成長とともに業界全体が発展を続けました。なかでも1970年(昭和45年)の大阪万博は「ディスプレイ業」が社会的に認知される大きなきっかけとなった画期的な一大イベントでした。

 

当社はその後も大型商業施設や博物館・美術館の発展とともに拡大していきました。2005年の愛・地球博では「人が集まる空間」をプロデュースし続け、市場規模の拡大にあわせて事業領域と商品を拡大することで、現在のような売上規模約900億円の企業にまで成長 することができました。

 

 

Q2: 御社の強み、他社との違いはどこにあるのでしょうか?

清水:
もちろんデザイン力や品質に自信はありますが、他社に真似できない部分と言えば、「大型案件を受注できる」企業であり、かつ「安定的にサービスを供給できる」ところではないでしょうか。
そのため、お客様の大半は日本のトップ企業であり、かつ継続的にご発注をいただくことが多いところが、当社の強みとなっています。

数字で見るNOMURA

(出展:インベスターズガイド2012)

―― リピート率が81%!!すごい数字ですね。

清水:
ありがとうございます。当社のデザイン力や品質をご評価いただいているお客様の多さが表れた結果ですので、私どもとしても誇りに思っています。

バブル後など、企業の設備投資・宣伝広告の予算が大変厳しくなった一時期には、価格優先で他の事業者様に発注されるお客様が増えたこともありました。しかし、当社がお手伝いさせていただく案件は、そのお客様のブランド力や販売力に直結するものが中心であり、そこはやはり「質」や「安心感」で選びたい、とのご判断で、当社にご発注をいただくことが多いようです。

Q3: 事業環境とその対応は?

清水:
お客様の空間プロモーションについて、投資判断が先送りされている傾向があります。
また、全体的に未だお客様の予算抑制傾向は続いていますので、営業とデザイナー、制作担当が三位一体となり、「ノムラの“総合力”」をお客様にしていきたいと思っています。

―― そうした状況にどう対応しておられますか?

清水:
確実な成長を得るためには、本業である設計・施工の部分で既存のお客様を「深堀り」していくことが重要であり、現在は「アカウントサービスの徹底」をグループ経営目標に掲げ、重点的に取り組んでいます。

私たちは展示会や店舗など、「リアルな場」でのコミュニケーションの強さを誰よりもよく知り、また、ノウハウを蓄積しています。私たちがお手伝いできる場面、私たちでなければできない未開拓のフィールドはもっとあるはずで、それをもっと深く掘り起こしていきたいと思います。

―― 具体的には、どのように進めていらっしゃるのですか?

清水
単純なことなのですが、まずはお客様に私たちが提供できる商品・サービスを「知っていただく」ことが重要だと思っています。
当社のお客様は業種も業態も幅広いため、たとえば百貨店のお客様は、当社がメーカーのお客様や博物館も手掛けているということは、あまりご存知ないのが現状です。まずはこうしたギャップを埋めるために、営業担当はもちろん、役員もトップセールスで当社の幅広い実績をご紹介するなど、事業機会の拡大に努めています。

また、当社に対するお客様企業の窓口は、通常は販売促進のご担当部署様や広報部様が多いのですが、今後は別の部署様からのご発注もいただけるよう、営業体制も見直しています。最近の成果といたしましては、総務部門様からのご発注案件として、オフィスの働きやすい空間演出、株主総会会場のディスプレイ(自社商品の展示、紹介など)も手掛けるようになりました。この分野は安定的な需要が見込まれますので、今後とも受注に努めていきたいと存じます。

Q4: 今後の成長戦略は?

―― その他にはどのような成長戦略をお持ちでしょうか?

清水:
「アカウントサービスの徹底」に加え、現在進行中の 中期経営計画 ではあと2点、「空間創造&活性化事業の強化」「国際企業化の加速」を掲げています。

前者については、特に“空間活性化事業”――具体的には、運営管理やメンテナンス、集客など、アフターサービスの部分における事業機会を広げていきたいと考えています。
展示会や販促会場、あるいは博物館等での展示など、リアルな空間でのノウハウについては、当社は広告代理店などの他社様にはないノウハウを有していますので、これを積極的に活用していきます。

―― 海外についてはいかがでしょう?

清水
2年程前にアジアを中心に拠点の整備は完了しています。
もともとは日系メーカーのお客様のショールームを海外で展開するために進出しましたが、現在では商業施設も手掛けるようになりました。ただし、施工体制を現地で構築するところはまだ難しいところがあり、海外については当面、デザイン・設計などのソフト業務に特化して展開していく戦略を取っています。

Q5: 個人投資家向けIRの方針についてお話ください。

―― 御社は四半期毎に株主通信(NOMURA IR Report)を発行しておられます。
これだけ頻度高く株主様に接しておられる企業は多くないのですが、御社としてはどのようなお考えで続けていらっしゃるのでしょうか。

清水:
まさしくおっしゃる通り、株主の皆様との接点を保つために続けています。
やはり当社から情報を発信することによって株主の皆様とつながることができ、「ノムラから何か届いたぞ」とその都度当社を思い出していただける、その点を重視しています。

また、四半期毎に手元に届く唯一紙媒体のコミュニケーションツールとして、株主の皆様と「対話をしているような」株主通信にしたいと思って制作しています。

―― 個人向けIR活動の現状についてお聞かせください

清水:
個人投資家向け説明会の開催(年1~2回)、株主通信(NOMURA IR Report)の発行(四半期毎)、IRサイトの運営(メールニュースの配信)を主な活動としています。

今年はおかげさまで創業120周年を迎え、日本経済新聞の朝刊に創業120周年の記念広告を掲載させていただきました。また、ラジオNIKKEIへの出演やコーポレートサイトのリニューアルなど、さまざまな媒体を利用した個人向けIR活動を展開しています。

その他、今年は8月31日~9月1日に東京ビッグサイトで開催される「日経IRフェア2012 STOCKWORLD」にも出展させていただく予定です。

―― ありがとうございました!