株式会社アミューズ(証券コード:4301)のインタビュー更新版をお届けします。(今回のインタビューは前回のインタビューの続編となります。併せてご覧ください。)

今回は、

前編:好調が続くアーティストマネージメント事業の現在と今後は?

中編:動画、音楽の定額配信サービスが成長する中、メディアビジュアル事業、コンテンツ事業の今後は?

後編:新セグメント「プレイスマネージメント事業」とは?

のテーマで、IR担当執行役員の宮腰さんにお話をうかがいました。

新セグメント「プレイスマネージメント事業」とは?

―― 今年度から「プレイスマネージメント事業」が新セグメントとして加わりました。この背景についてお話ください。

宮腰:
前回のインタビューでもお話しましたように、背景には「今後の持続的成長のためには新たなチャレンジをしなくてはならない」という認識があります。そのひとつの選択肢として、自社コンテンツではないコンテンツでビジネスをする、あるいは、収入の構造としても、プロジェクトの積み重ねが主たる状況なので、日々同じ場所できちんと営業し続けることで稼ぐという、従来の当社とは異なるビジネスモデルを持つことは非常に重要だと思っています。

―― その一例が、2015年3月にオープンした「東京ワンピースタワー」だと思います。現在のところ、どのような手ごたえを得ていますか?

宮腰:
おかげさまで一定数のお客様にはお越しいただいていますが、世界観の作りこみという意味ではまだまだ課題があると思っています。

―― 作りこみの完成度、という意味では東京ディズニーランドが代表格ですよね。外の世界が一切見えないように空間設計されていて、周りの景色も音も、スタッフの振る舞いも、すべてがディズニーの世界になっている。

宮腰:
そうですね。我々としてもそこまでやりたい気持ちはあるのですが、正直、まだまだ足りない、結果としてテーマパークとしての魅力をきちんと届けきれてない部分はあると思っています。ここは今後、アミューズの総力を上げてチャレンジしていく部分でしょうね。

―― 海外からのお客様はどの程度おられるのですか?

宮腰:
実は、「東京ワンピースタワー」入場者数の約2割は海外からのお客様なのです。現在のところ海外向けに大きく宣伝しているわけではないので、不思議ではあるのですが。浅草のアミューズミュージアムも外国人のお客様が多く、1階にある土産物屋(和のセレクトショップ) など、来店客の8~9割は外国のお客様です。

インバウンドビジネスへの取り組みは、現状ではこのぐらいですが、将来的には、来日された方にアミューズのアーティストのライブも楽しんでいただけるようにしたいですね。最近は海外公演も増えているのですが、なにぶんにも現地で使える機材や演出には制約がありますから。日本なら、存分にその世界観を楽しんでいただけると思います。

―― それを実現するためには、海外拠点を活用した宣伝や、旅行代理店とのコラボレーションなどが一層必要になりそうですね。

宮腰:
そうですね。「東京ワンピースタワー」に出資してくださっているJTBさんとはすでに色々な形で協働していますが、インバウンドの需要獲得には海外の現地旅行会社とも組んでいかなければなりませんからね。

―― 海外と言えば、2014年9月のリリースに「アミューズ、ランティス、バンダイナムコライブクリエイティブの3社がアニメ関連コンテンツの海外展開で業務提携」とありました。 これはどのように解釈すれば良いニュースなのでしょうか。

宮腰:
アニメビジネスは、実は「座組み」が非常にはっきりしている世界なのです。アミューズは、アーティストがアニメの主題歌を歌うことはもちろんありますし、一時期アニメ関連の楽曲管理を少し手がけたことはありましたが、もともとそんなに得意な分野ではありません。

ただ、今回ランティスさんとバンダイナムコさんが海外でアニメコンテンツを展開していくという話になったときに、海外でイベントを安定的に運営できるインフラを持っているということで、業務提携につながりました。

―― なるほど、ここでまた海外拠点の「インフラ力」が貢献したわけですね。

宮腰:
はい。これが、アミューズが今回の「座組み」に入れるきっかけとなったわけです。 これがご縁で、バンダイナムコさんとは今年(2015年)、新たなアニメコンテンツとして「ドリフェス!」 を展開することになりました。

―― これは国内ですよね?海外ではなく国内の「座組み」に入ることができたと。

宮腰:
そうなんです。国内でそれなりの規模のアニメ系ビジネスは、今回のドリフェスが最初の事例となります。一度「座組み」で協業できて実績ができれば、アミューズは音楽もできるし声優もいますから、今後も色々な意味で一緒にやっていける可能性が広がると思います。

その他にも、子会社のA-Sketchが音楽とセットでテレビのアニメ作品に出資するなど、どうやってコンテンツの権利を持つ方向に入っていくかの試行錯誤を一生懸命始めているところです。

―― 今後期待できるアニメ関連ビジネスの展開は?

宮腰:
ここから先は、アニメコンテンツへの出資もそうですけどやはり物販ですよね。物販はものすごい経済規模です。声優さんたちのライブやフェスでも利益率が高いのは物販ですからね。アミューズが持っているECサイト「アスマート」は海外への発送もできますし。

アニメ関連ビジネスの中で存在感のあるプレイヤーになれるかはわかりませんが、そこに入っていけるきっかけはできつつあると考えています。

―― 楽しみですね。今回も、ありがとうございました!