株式会社アミューズ(証券コード:4301)のインタビュー更新版をお届けします。(今回のインタビューは前回のインタビューの続編となります。併せてご覧ください。)

今回は、

前編:好調が続くアーティストマネージメント事業の現在と今後は?

中編:動画、音楽の定額配信サービスが成長する中、メディアビジュアル事業、コンテンツ事業の今後は?

後編:新セグメント「プレイスマネージメント事業」とは?

のテーマで、IR担当執行役員の宮腰さんにお話をうかがいました。

動画、音楽の定額配信サービスが成長する中、メディアビジュアル事業、コンテンツ事業の今後は?

(編集部注:メディアビジュアル事業の概要についてはこちらを、アミューズの事業構造についてはこちらをご参照ください)

―― 2015年は動画の定額配信サービス元年ともいえるような状況でした。音楽の定額配信も提供者が増加しています。アミューズはこれらの定額配信サービスにはどのような方針で臨んでいるのですか?

宮腰:
作品や個々のアーティストによって要求されること、やらなくてはならないことが違います。我々、コンテンツをつくる側としてはその中でそうした状況を踏まえて、最善のサービスを選んでいくというのが基本的なスタンスです。

動画配信サービスに関してはすでに「過去の作品を買いたい」などのお話もいただいています。まだ「新しいチャンネルを持って新しい映像作品をつくろう」といった話までには至っていませんが、そういった話があれば、その中で柔軟に相談しながらやっていければ良いかなと思っています。

―― 定額配信サービスの浸透は今後、事業にどのような影響を及ぼすと考えていますか?

宮腰:
動画も音楽も、現時点では国内の定額配信サービスへのコンテンツの提供はほとんどやっていませんので、今のところ影響はありません。

今後に関して言えば、ポジティブとネガティブ、両方の影響があると考えています。

ポジティブな面の影響は、コンテンツのロングテール化が図られること。良い作品、特長ある作品ならば時間がたっても評価されることには明確なメリットがあります。

―― 音楽の場合は「コンテンツ事業」の売上・利益が伸びることになりますね。

宮腰:
はい。コンテンツ事業は当社唯一のストックビジネスで、現在、約1万曲の権利を保有しています。所属アーティストの数もそれなりに多いですから、新曲が出たときに昔の曲も聞かれるといった形で刺激されながら、二次利用も含めてうまく活性化されていくことでコンテンツ事業を伸ばすことが期待できます。

一方、ネガティブな影響としては、コンテンツ事業ということではありませんが、映像作品の「パッケージ」(DVD等)が売れなくなることがあるでしょうね。

―― 映像作品の販売、つまり「メディアビジュアル事業」の業績に影響するということですね。これについては、どのような対策をとっていくのですか?

宮腰:
もちろん、(コンテンツのロングテール化の中で評価されるような)良い作品を作っていくことが最大の対策となるわけですが、利益の確保という意味では、当社は、2009年(=H22/3期)にすでにメディアビジュアル事業の構造改革を実施しています。

H21/3期は売上が約120億と、アーティストマネージメントと並ぶ「柱」の事業でしたが、一方セグメント利益は3.7億円の損失であり在庫も大きい状況でした。それらを大幅に整理し、業務内容やフローもかなり変えることで、利益を確実に出せる体質になってきました。

―― 本年(2015年)3月1日付で、アミューズソフトを吸収合併されました。

宮腰:
はい。そろそろ良い時期と判断しました。社内にも映像制作部隊がありますので、彼らとアミューズソフトのメンバーが一緒になることで業務もより効率的になります。2009年から着々と進めてきた構造改革プランが、これでようやく着地した形になります。

―― アーティストマネージメント事業が大きく伸長する中、業績を伸ばしつつ、メディアビジュアル事業の構造改革も無事完了させることができたのは大きな成果ですね。

宮腰:
本当にそう思います。結果論ではありますが、在庫リスクの負の遺産の部分もこの業績の中で着実に処理しながら、うまく着地させることができたという感じですね。

―― アミューズソフト吸収合併後の方針は?

宮腰:
所属アーティストのパッケージ作品は自分たちで販売したいですから、当然機能は残していきます。一方で音楽パッケージのマーケットは相変わらずすごく堅調ですし、音楽作品の映像作品も堅調です。それから、音楽CD 自体を自分たちで出す意味でも旧アミューズソフトの部隊は寄与するので、映像だけでなくパッケージビジネス全般の中でこの機能を持っている強みは生かし続けられると考えています。

後編「新セグメント「プレイスマネージメント事業」とは?」へ続く