株式会社アミューズ(証券コード:4301)のインタビュー更新版をお届けします。(今回のインタビューは前回のインタビューの続編となります。併せてご覧ください。)

今回は、

前編:好調が続くアーティストマネージメント事業の現在と今後は?

中編:動画、音楽の定額配信サービスが成長する中、メディアビジュアル事業、コンテンツ事業の今後は?

後編:新セグメント「プレイスマネージメント事業」とは?

のテーマで、IR担当執行役員の宮腰さんにお話をうかがいました。

好調が続くアーティストマネージメント事業の現在と今後は?

―― 今期(=H28/3期)のアーティストマネージメント事業・業績予想は、営業収入が前年度比2桁成長であった前期(=H27/3期)との比較でさらに29.2%増、セグメント利益も57.1%増と大変好調です 。まずはこの要因についてご説明いただけますか?

(編集部注:アーティストマネージメント事業の概要についてはこちらを、アミューズの事業構造についてはこちらをご参照ください)

宮腰:
今期は、福山雅治、サザンオールスターズ、Perfumeを始めとする主要アーティストのライブやイベント活動が多く、ライブは過去最大の動員規模となる見込みで、それが物販やファンクラブの伸びにつながります。一方ではアーティスト別にはチケット単価も上昇傾向にあります。今期はこうした諸々が(業績の)数字につながっていると感じています。

―― 人気が高いから、チケット単価を上げることができるということでしょうか?

宮腰:
そうですね。付帯サービスでグッズをつけて、という場合もありますが、基本的にはそれだけの対価を払っていただける価値があると判断して(単価を上げて)います。

―― 最近ではBABYMETALなどの若手も育ってきました。彼ら所属アーティストのポテンシャルを引き出し、育成できる秘訣はどこにあるのでしょうか?

宮腰:
音楽系、役者系のアーティストがこれだけの規模感とバランスで揃っている という意味ではアミューズは業界でも突出した存在ですし、だからこそできる育成方法があります。

アミューズでは「キッズ事業室」を通じても育成をしているのですが、彼ら若手に最初に具体的な活動の場を与えてあげやすいのは、実は音楽だったりします。アミューズの場合、そうした音楽の要素を社内から持ってくることができますし、その逆(=音楽系アーティストを役者としても伸ばすこと)もできます。BABYMETALは前者、福山雅治は後者の例ですね。アミューズの総合力をアーティストのマネージメントに反映させることで、色々な才能を持っているアーティストを活かしやすい、というのがご質問へのひとつの答えです。

――育成側であるマネージャーも、音楽系や役者系といった分野を超えて交流しているのでしょうか。

宮腰:
それがだんだんできるようになってきた、というのがこの7~8年の成果の1つだと思っています。多様なアーティストがいて様々な経験をできる場が多くあるということは、マネージャーを育てる意味でも非常に良いですからね。

―― 前回のインタビューでは「インフラ力」でアーティストから選ばれている、というお話もありました。最近の事例を教えていただけますか?

宮腰:
米国に設立したAmuse Group USA, Inc.を通じてブロードウェイミュージカルやテレビドラマにも出資しているという話を以前したと思いますが、最近ではそれらの出資作品に当社所属のアーティストを出演させることができるようになってきまして、それがアミューズの「インフラ力」に寄与するようになりつつあります。

今年(2015年)の10月には、我々の出資作品のひとつであるミュージカル「プリンス・オブ・ブロードウェイ」 が日本で上演されましたが、そこに唯一の日本人キャストとして出演する柚希礼音は、2015年、世界進出を希望してアミューズへの所属を選んだ、元・宝塚のトップスターです。

当社が台湾でマネージメントを開始したDEAN FUJIOKAも、出資先であるアメリカのドラマファンドの作品に出演し、2015年にはNHKの朝ドラに出演するという“逆輸入”で日本でも人気が出てきました。

―― 出資案件にアーティストを出演させることができるようになった、その秘訣は?

宮腰:
地元で映像や舞台を制作するいわゆる「仲間うち」のメンバーになることができるようになってきたことが大きいですね。こういうことやっている日本のマネージメント会社は数少ないと思いますし、その結果、海外のマーケットで現地の会社が「日本のエンターテインメント会社と組みたい」「日本人を使ってみたい」と思った時の選択肢に、当社は入っている。それはすごく重要なことですし、アミューズは今、そういった意味での力がつき始めていると思います。

―― 海外拠点の新たな可能性が開けてきたということでしょうか。

宮腰:
はい。従来は、海外拠点の主な役割は、現地マーケットの情報収集や(所属アーティストが実施する)ライブ展開の支援等ですが、ここ半年ぐらいで、そうではない形――先ほどご紹介したような、海外のエンターテイメントマーケットに自ら参加し、その中で所属アーティスト達の活躍の場を広げていくケースが増えてきました。

こうしたネットワークの拡大は所属アーティストの活躍の場をグローバルにしますし、海外で活躍している海外のアーティストを日本に連れてくることもできるでしょう。ネットワークの拡大という意味で、中長期的な価値向上に効いてくる要因だと思います。

中編「動画、音楽の定額配信サービスが成長する中、メディアビジュアル事業、コンテンツ事業の今後は?」へ続く